感染対策に関するQ&A

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SFTSについて

1:ダニ媒介感染症リーフレット

ダニに咬まれた方へ

ダニに咬まれると、ダニに住み着いている微生物によって感染症がひき起こされる、という話をお聞きになったことがあると思います。 すべてのダニに微生物が住み着いている、という訳ではありません。しかし不安に思われることもあると思いますので、ダニに咬まれた時の注意点をお知らせします。 ダニを介して起こる感染症にはいろいろな種類がありますが、注意していただくことは同じです。

  • ダニに咬まれたら体調の変化に注意しましょう。
    ダニに咬まれた部分は、出血したり黄汁が出たりカサブタになったりすると思います。
    これらのものが服に付かないように、覆っておいた方が良いです。
  • ダニに咬まれた部分には、絆創膏を貼っておきましょう。
    ダニに咬まれた部分は、出血したり黄汁が出たりカサブタになったりすると思います。
    これらのものが服に付かないように、覆っておいた方が良いです。
  • 血液が付着したものは、取り扱いに注意しましょう。
    感染症を引き起こす微生物が、ダニに咬まれた人の血液中に潜むことがあります。
    出血している時は、ティッシュペーパーなど捨てられるもので圧迫して止血しましょう。
    止血に使用したティッシュペーパーなどは、他の人が触らないように破棄しましょう。
    衣類や物品に血液が付着した場合には、10~50倍に薄めたハイターに約5分間ひたしてから、水洗いや水拭きをしましょう。

1ヶ月間、体調に変化がなかったら、もう大丈夫です。ご心配なこと、ご質問がありましたら、近医を受診してください。

2:SFTSの注意点と感染対策

マダニにかまれた状態で、発熱・倦怠感や消化器症状のない患者が受診した場合。

  • 職員は標準予防策で対応。ただし、血液を介した医療従事者の感染報告があるため、血液に接触するなどリスクのある処置を行う際には手袋・長袖エプロン・マスク・ゴーグルまたはフェイスシールドなどの個人防護具を着用する。
  • マダニを除去後、患者には体温記録表(徳島県保健福祉部健康増進課感染症・疾病対策室が発行しているSFTSリーフレット)を渡し、潜伏期間である6~14日間に諸症状があれば受診するように伝える。

臨床的特長からSFTSが疑われ、14日以内にマダニに咬まれた、または動物の体液・血液に接触したことがある。

フェイスシールド
  • 職員は標準予防策に加え飛沫・接触・空気感染対策を実施する。
  • 診療ケアにおける防護具は粘膜を保護するマスクやアイガード(ゴーグル・フェイスシールド)のほか、手袋、長袖ディスポエプロンを装着する(血液のほかに尿・便・呼吸器分泌物からウイルスが排出されるため)。
  • 心肺蘇生や気管挿管を行う場合はエアロゾルによる感染を防ぐためN95マスクを装着する。
  • 患者を入院させる場合は、個室管理を行い面会も最小限とする。また、面会者も職員同様に防護具を装着し面会を行う。
  • 血液検査所見で白血球・血小板減少、トランスアミナーゼ高値が認められ、SFTSの確定診断を行う場合は、最寄りの保健所に行政検査を依頼する。
  • 検体の取り扱いは検査部の暴露事故防止のため専用容器で運搬し血液検体を扱う検査時は適切な個人防護具を装着する。
  • SFTSと診断が確定した場合は4類感染症として直ちに最寄りの保健所へ届出を行う。
  • 4類感染症であり、患者に対する感染症指定医療機関への入院勧告は行われないため、集中治療が提供可能で、院内感染防止体制の整った医療機関で治療を行うか検討する。
  • SFTS と確定診断されれば、接触感染予防策を強化し、手袋・ガウン・サージカルマスク・ゴーグルもしくはフェイスシールド付マスクを装着する。
  • 出血症状や激しい嘔吐、エアロゾルを発生する手技を行う場合には、二重手袋とともにN95 マスクを装着して対応する。
  • 血液等で環境が汚染された場合には血液を十分除去した後、0.5%次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。
  • 針刺し等汚染事故で感染する可能性があるため、鋭利器材の取り扱いには十分注意する。

SFTSで亡くなられた方のご遺体の体液には感染性のあるSFTSウイルスが含まれているので感染対策は重要である。

  • 遺体の体腔から血液・体液が露出しないよう綿などで処理を行い、また、漏出が高度の場合は、非透過性納体袋に遺体を入れる。
  • 遺族および葬儀業者には、血液・体液に感染性があることを伝える。

以上のような内容で、職員とともにご親族なども感染しない対策が必要です。

3:SFTS他まとめ

SFTSは、2013年1月、SFTSの患者(2012年秋に死亡)が国内で初めて確認されて以降、毎年60名前後の患者が報告されています。ウイルスを有するマダニに咬まれることにより感染します。多くの場合、マダニに咬まれてSFTSウイルスに感染すると考えられますが、マダニに咬まれた痕が見当たらない患者もいます。

マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(種類にもよりますが、成ダニでは、吸血前で3~8mm、吸血後は10~20mm程度)のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息しており、市街地周辺でも見られます。

最近の研究で、SFTSウイルスに感染し、発症している野生動物やネコ・イヌなどの動物の血液からSFTSウイルスが検出されています。このことは、SFTSウイルス感染している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染することも否定できません。

SFTS以外の感染症に対する予防の観点からも、 動物を飼育している場合、過剰な触れ合いは控えてください。動物に触ったら必ず手洗い等をしましょう。また、動物のマダニは適切に駆除しましょう。飼育している動物の健康状態の変化に注意し、体調不良の際には動物病院を受診してください。 野生動物は、どのような病原体を保有しているか分かりません。野生動物との接触は避けてください。

体に不調を感じたら、早めに医療機関を受診してください。受診する際は、ペットの飼育状況やペットの健康状態、また動物との接触状況についても医師に伝えてください。動物からの感染情報に関しては厚生労働省のQ&Aが随時更新されておりますので参考にするとともに今後の動向に十分ご注意ください。

予防には、マダニに咬まれないように気をつけることが重要です。これは、SFTSだけではなく、国内で毎年多くの報告例がある、つつが虫病や日本紅斑熱など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。

特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。また、ツルツルした服装はダニが落ちやすいです。 上着や作業着は、家の中に持ち込まない、また 野外活動後は、シャワーや入浴でダニがついていないかチェックすることも重要です。

DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、首、耳、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏などがポイントです。マダニに吸血された場合には、皮膚科などを受診してマダニを除去してもらって下さい。無理に自分でとらないようにしてください。

ダニにかまれたら、数週間は体調の変化に注意し、発熱等の症状が現れたらすぐに医療機関を受診しましょう。

参考文献

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