HOME > 感染対策に関するQ&A > SFTSについて
ダニに咬まれると、ダニに住み着いている微生物によって感染症がひき起こされる、という話をお聞きになったことがあると思います。 すべてのダニに微生物が住み着いている、という訳ではありません。しかし不安に思われることもあると思いますので、ダニに咬まれた時の注意点をお知らせします。 ダニを介して起こる感染症にはいろいろな種類がありますが、注意していただくことは同じです。
1ヶ月間、体調に変化がなかったら、もう大丈夫です。ご心配なこと、ご質問がありましたら、近医を受診してください。
○マダニにかまれた状態で、発熱・倦怠感や消化器症状のない患者が受診した場合。
○臨床的特長からSFTSが疑われ、14日以内にマダニに咬まれた、または動物の体液・血液に接触したことがある。
○SFTSで亡くなられた方のご遺体の体液には感染性のあるSFTSウイルスが含まれているので感染対策は重要である。
以上のような内容で、職員とともにご親族なども感染しない対策が必要です。
SFTSは、2013年1月、SFTSの患者(2012年秋に死亡)が国内で初めて確認されて以降、毎年60名前後の患者が報告されています。ウイルスを有するマダニに咬まれることにより感染します。多くの場合、マダニに咬まれてSFTSウイルスに感染すると考えられますが、マダニに咬まれた痕が見当たらない患者もいます。
マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(種類にもよりますが、成ダニでは、吸血前で3~8mm、吸血後は10~20mm程度)のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息しており、市街地周辺でも見られます。
最近の研究で、SFTSウイルスに感染し、発症している野生動物やネコ・イヌなどの動物の血液からSFTSウイルスが検出されています。このことは、SFTSウイルス感染している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染することも否定できません。
SFTS以外の感染症に対する予防の観点からも、 動物を飼育している場合、過剰な触れ合いは控えてください。動物に触ったら必ず手洗い等をしましょう。また、動物のマダニは適切に駆除しましょう。飼育している動物の健康状態の変化に注意し、体調不良の際には動物病院を受診してください。 野生動物は、どのような病原体を保有しているか分かりません。野生動物との接触は避けてください。
体に不調を感じたら、早めに医療機関を受診してください。受診する際は、ペットの飼育状況やペットの健康状態、また動物との接触状況についても医師に伝えてください。動物からの感染情報に関しては厚生労働省のQ&Aが随時更新されておりますので参考にするとともに今後の動向に十分ご注意ください。
予防には、マダニに咬まれないように気をつけることが重要です。これは、SFTSだけではなく、国内で毎年多くの報告例がある、つつが虫病や日本紅斑熱など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。
特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。また、ツルツルした服装はダニが落ちやすいです。 上着や作業着は、家の中に持ち込まない、また 野外活動後は、シャワーや入浴でダニがついていないかチェックすることも重要です。
DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、首、耳、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏などがポイントです。マダニに吸血された場合には、皮膚科などを受診してマダニを除去してもらって下さい。無理に自分でとらないようにしてください。
ダニにかまれたら、数週間は体調の変化に注意し、発熱等の症状が現れたらすぐに医療機関を受診しましょう。